真の脅威は“大きな北朝鮮”ロシアだ

テロ・紛争・戦争・崩壊
世界支配層に徹底抗戦しているロシアのプーチン大統領




みなさん、こんにちは。

先日のイベント「歴史スペシャル 真実の世界史」は、高めの価格設定にもかかわらず、おかげさまで、満員御礼でした。

「ロスチャイルド家やロックフェラー家が世界を影から支配している」というのが半ば定説化した陰謀論ですが、こういうのもある種の情報操作の産物なんですね。

世界中で流布されている誤解なので、日本人だけではなく、欧米の陰謀論者もほとんど勘違いしています。日本ではずっと知識人クラスの人が勘違いしてきた。

影の勢力の中では、ロスチャイルドですら新興勢力だったんですね。それどころか、ユダヤ勢力の中でも比較的新参者で、格上クラスの一族はまだまだいる。

かつての王侯貴族と宮廷ユダヤ人の一族がそのまま繰り上がってきたことが基本にありますが、その全容は想像以上に複雑奇々怪々なストーリーです。

ロスチャイルドがユダヤ社会の中で頂点に立ったのは、イスラエル再建プロジェクトを成し遂げてからというのが、私の考えです。モーセに次ぐ第二の建国者というわけです。

当日は、玉蔵さんからも、テンプル騎士団、ボストン貴族、謎のサヴォイ一族、ゲルマン民族のさらなるルーツ、などの話が出てきて、たいへん興味深かった。

サヴォイ家ヴェルフ・ウインザー家や英大貴族とも婚姻関係にあって、今も隠然たる力を有しています。サヴォイの高級ホテルチェーンは有名ですね。

ところで、今回の「歴史スペシャル 真実の世界史」ですが、関東ばかりだと不公平なので、今度、大阪でもやろうかと、玉蔵さんと相談中です。



ロシア革命とは何だったのか?

さて、上のイベントではまったく話さなかったことを少し記そうと思います。

今年も残りあとわずかとなりましたが、2017年は、ロシア革命100周年でもありました。このロシアを抜きに世界支配層の今後を語ることはできない。というのも、影の政府の言いなりにならず、鋭く対立しているのがプーチン・ロシアだからです。

つい百年前まで、ロシアは皇帝の領国だったんですね。

文字通り、専制君主の持ちもの・私物です。だから、一族から男子が絶えると、別の国にいる親戚の王様に受け継がれたりします。ヨーロッパでは当たり前でしたが、東アジアではあまりない光景だったので、なかなか感覚的に分かり辛いものがあります。

領土とそこにある森林・鉄などの天然資源だけでなく、人間までが王朝の“所有物”なんですね。つまり、牛や羊などの家畜と同じです。

そして、帝政ロシアだけでなく、世界支配層というのは、領民もまた財産であるという、そういう感覚を引きずっている人たちです。

世界支配層から見ると、ロシアが人々を家畜として囲っている専制国家ゆえに入り込むことができませんでした。皮肉にも、国家国民を私物と見なす独裁ゆえに、人々が世界支配層の魔の手から守られていたわけです。これが民主国家だと、お金・産業・法律・宗教(信念体系)・メディアを駆使することで、内側から徐々に乗っ取ることが可能です。

自分が奴隷である事実に気づかせないという意味で、世界支配層の統治のほうがより巧妙だといえます。つまり、帝政ロシアの人民と西側の私たちとの違いは「自分が奴隷であることを知っている奴隷とそれに気づかない奴隷の違い」ということです。

いずれにせよ、世界支配層が最後まで取りこぼしていた白人キリスト教国家がロシアでした。そのロシアを征服する機会こそ、100年前のロシア革命だったわけです。

しかも、ロマノフ朝を打倒すると同時にユダヤ人解放をも成し遂げるという一大プロジェクトでした。革命政府の8割以上はユダヤ人でした。

1917年、赤の広場のボルシェビキ軍

白軍を支援するための日米英のシベリア出兵。本当はレーニン政権を倒すためではなく、独裁権を掌握させ、ソ連を一致団結させるために影の政府が仕組んだヤラセ外敵作戦。米英に誘われた日本の寺内内閣は真実の蚊帳の外にあった。

だからロシア革命は、ほぼ同時期のバルフォア宣言と対応しています。つまり、第一次大戦後に、さっそくロシアのユダヤ人をパレスチナに送る計画だったわけです。

しかし、極論すれば、スターリン一人のせいで、このプロジェクトは台無しになりました。彼が個人独裁に走り、ユダヤ人幹部のほとんどを粛清してしまったからです。

しかも、当初は「ソビエト人」に改造して民族人格を抹殺する予定だったのに、ロシア人が民族として復活してしまいました。事実上、ロシアに戻ってしまったわけです。

これは影の政府にとって重大な誤算でした。だから、戦後、先制核攻撃でソ連を抹殺するプランが何度も検討されました。ここは重要なポイントです。なぜなら、プーチンもロシア軍のトップも、冷戦時代、自分たちがNATOの先制核攻撃プランで幾度も皆殺しにされそうになった事実をよく知っているからです。それがトラウマになっています。

10年以上も前に決定された「NATO軍 VS 中ロ」の大戦プラン

その後、ソ連は内部から瓦解し、西側は冷戦に勝利しました。

エリツィン政権時代、ロシアは事実上、世界支配層の植民地に転落しました。ロシアの膨大な天然資源は、世界支配層の現地代理人のオリガルヒに掌握されました。

しかし、2000年、大統領に就任したプーチンと旧KGB軍団が猛烈な巻き返しをはかり、国富を奪還し、ロシアは“再自立”を達成しました。

つまり、世界支配層はまたしてもロシアの完全支配に失敗したわけです。しかも、その様子を見た中国までがはっきりと欧米に反逆して、ロシア側につきました。

世界支配層はそれまで中国に対しては一種の「太陽政策」を実施していました。経済発展していけば、他の東アジア諸国と同じように、自然と欧米の国際ルールに取り込まれて民主化していくだろうという甘い観測をしていたわけです。根底には「東アジア人なんてみんな同じ様なものだろう」という偏見があったと思われます。

端的にいえば、彼らは、ロシアには厳しすぎ、中国には甘すぎた。

これに対して、影の政府は2005から6年にかけて世界戦略を一新させました。

私は何度も言及していますが、新たに採択されたのは、第三次世界大戦と人口削減と世界政府樹立がセットになった強硬路線だと思われます。

戦前の日独にしたように、中ロを力でねじ伏せるということです。

これは私の推測ですが、状況証拠からそうだとしか思えません。

もちろん、中ロ側もそれを心得ています。だから世界大戦を勝ち抜くための軍拡と軍事力の近代化を進めている。西側のメディアがまたそれを材料として脅威を煽っている。

影の政府との最終決戦に備えているプーチン

さて、これに対して、ロシアが粛々と戦いの準備を進めている。

今回の記事の一番のポイントはここです。

読者の皆さんは、これまでの「流れ」を知った上で、今の私たちが本当はどれほど恐ろしい状況に立たされているかということを理解してほしい。

メディアに出て来る国際政治の専門家たちは、世界支配層の作った価値観のフレーム内で育てられてきた権威のため、本当のことは知りません。

ロシアの名目GDPは、世界11位か、12位くらい。韓国と同じくらいと言えば分かり易いでしょう。アメリカの十分の一以下の経済力なんですね。

ただし、USドル換算のため、ルーブルの実力が過小評価されている可能性がある。また、韓国と同レベルと言っても、ロシアには広大な国土と自前の天然資源がある。

それを勘案しても、ロシアの軍事体制が西側と拮抗するのは、いかに大変かということです。その厳しい制約の中で、プーチンがどういった戦略を採らざるをえないか。

ロシアは西側と比べてエレクトロニクスが遅れている。西側の最新電子テクノロジーに追いつけない。また、陸海空軍の大半の通常兵器では、NATO軍に叶わない。通常兵器を最新のものに変えて、訓練を施すだけの資金も不足している。

だから、ロシアは、その不利をカバーするために、もっぱら「核とミサイル」に重点投資してきました。ちょうど、陸海空軍といった通常戦力が完全に旧式化して、その不利をカバーするために「核とミサイル」に重点投資してきた北朝鮮と同じです。同じことは、規模こそ違え、ロシアにも当てはまる。だから“大きな北朝鮮”なんです。

しかも、ロシアの場合、それが大型で最新鋭である点が決定的に違う。

ロシアは2020年までに、最新型のミサイル原潜部隊や超大型の核ミサイル兵器を実戦配備しようとしている。これで一挙に通常兵器の不利を挽回するわけです。

第4世代の新型戦略原潜「ボレイ型」Alexander Nevsky。Borei-classは北方艦隊と太平洋艦隊に各4隻が配備される予定。1隻で日本を全滅させることが可能。

他方、アメリカは、小型高性能の「使える核兵器」の開発に取り組んできた。その結果、戦略核のほうは更新が遅れ、大半は古いままです。

ますますロシアを追い込む影の政府、日本は今のままでいいのか?

トランプはロシアとの対決を非常に嫌がっている人物です。それが世界支配層のメディアからトランプが猛烈にバッシングされている理由のひとつでもあります。

そのトランプでさえ、2017年8月、対ロ制裁強化法に署名せざるをえませんでした。

プーチン大統領は、同年10月、就任以来の欧米に対して、「われわれの最大の失敗は信用し過ぎたことだ」と切り捨てました。逆にいえば、今まで私は騙されてきた、もう西側を信用しない、と言っているのと同じことです。それくらい欧米への不信感が強い。

同じ10月、カタルーニャ自治州議会が賛成多数でスペインからの独立を宣言すると、欧米諸国はクリミアの同様のプロセスとはまったく反対の姿勢を取りました。

いつものことですが、このダブルスタンダードぶりがプーチンとロシア国民をイラつかせています。プーチンは欧米の矛盾した態度を皮肉りました。

この12月、IOC(国際オリンピック委員会)は、国家ぐるみのドーピングを行ったとして、平昌冬季大会へのロシアの参加を禁止する決定を行いました。

これはプーチンのみならず、ロシア国民をひどく屈辱に陥れるものです。プーチンだけでなくロシア国民全体が怒りに燃えている・・・ここがポイントです。

そして、プーチン大統領は2018年の大統領選への出馬を表明しました。すでに圧勝が予測されています。私は早い段階からそれを予測しています。

「世界一早い『2018年ロシア大統領選挙』予想 The world’s earliest 2018 Russia Presidential Election Forecast」

北朝鮮ほどではありませんが、ある意味、ロシアも似た立場に追いやられているわけです。ロシアには西側に従属するか、それとも反抗するかの選択しかありません。

プーチンは平和主義者ではなく、ずっと我慢しているだけです。今戦えば西側に皆殺しにされると分かっているので、じっと勝機をうかがっているのです。

プーチンは次の大統領選により2024年5月まで在任することになる。

プーチンはこれまで三度も核戦争になると警告しています。

つい最近非常に嫌なニュースが入ってきました。日本の「イージス・アショア」導入に対して、ロシアが「1987年の中距離核戦力(INF)廃棄条約に違反している」と警告していることです。日本はどんどん事実上のNATO軍に組み込まれようとしています。

第三次世界大戦になると、プーチンはやむを得ず日本を核攻撃するだろう。

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