最新の報道では、数週間後に予定されている米朝首脳会談において、北朝鮮が核放棄に応じる意向を示しているという。
まあ、決裂させたら軍事攻撃だから、そうするより他に選択肢はないだろう。
散々述べてきたように、私自身はどうせ空約束だと考える。
首脳会談での核放棄の合意どころか、正式に条約を締結したとしても、それだけでは何の意味もない。それだけなら過去にもあった出来事だからだ。
そこから約束を破る、国際社会を騙す、というのがこれまでの北のパターン。
なにしろ、文書で契約しても平気で破る国だ。これは北だけでなく韓国も同じ。
だから、「核放棄を実行し終える」までは一切評価に値しない(もっとも核物質のかなりは隠匿するだろうから、それですらパフォーマンスに過ぎないと思うが)。
ところが、NHK報道局や朝日新聞、リベラル派の識者などは、単なる合意の時点で狂喜乱舞し、「安倍政権は圧力一辺倒をやめろ」とか「朝鮮半島の平和の潮流から日本だけが置いていかれる」などと、いつもの気勢を盛り上げることは疑いない。
興味深いことに、朝鮮中央通信や労働新聞も同一の論調だ。
いわゆる「蚊帳の外」論を吹聴する輩が、北朝鮮と同じ思考・同じ言動をする手先系に他ならない(又はただ踊らされているだけの馬鹿か?)ことがよく分かる。
北朝鮮は長い時間をかけて、日本国内のメディア・知識人・市民団体・学会・教育界・労組などの間に、巨大な工作員ネットワークを構築することに成功している。
北朝鮮が核放棄を実行するまでは本格的な見返りは与えないことは、日米はじめ「G7」としての方針だ。ところが、まるで日本だけの「わがまま」であるかのように印象操作し、国際社会から孤立するとの強迫観念を植え付ける・・手垢のついた手口である。
「日本の世論を焚きつけて、西側国際社会からまず日本を切り崩せ」と、そんな指令が金正恩政権から出ているのかしれない。大方、「植民地支配補償論」などの戯言も併用して、日本から金を強請り取ろうという毎度の卑しい算段だろう。
北朝鮮が核放棄を実行したわけでもないし、拉致問題を解決し謝罪したわけでもないのに、平和ムードの空気に合わせて金正恩政権に迎合しろとは、正気の沙汰ではない。
あくまで、北朝鮮がそれらの懸案を「解決し終える」のを確認するまで、安倍政権は「動かざるごと山のごとし」の方針を堅持されていかがでしょうか?
日米欧合同の調査チームを立ち上げる
さて、本題。
トランプ大統領は、米朝首脳会談において、拉致問題を取り上げ、北朝鮮に解決を迫ることを約束している。これは先の安倍総理の訪米の成果である。
しかし、非核化とは異なり、これは米朝両国にとって最優先課題ではなく、解決が絶対条件ではないと思われる。つまり、北朝鮮が文書での公約を迫られない以上、拉致問題に関しては「善処する」といった口頭でお茶を濁すことに留まる可能性がある。
もともと犯罪当事者の北朝鮮からすれば、解決しようと思えば明日にでもできる話なのに、誠意ある対応をまったく取ろうとしない。許しがたい連中だが、ただ日本側も、米国に解決を頼んだり、口先で非難したりするばかりでは、ちと能が足りない。
そこで日本は何か実効性のある策を打っておかねばならない。
米朝首脳会談で核放棄に合意したら、IAEA又米軍の査察チームが北朝鮮国内を調べて回ることになるが、私はそこに「拉致被害者調査チーム」を別働隊として加えたらどうかと思う。つまり、核査察権を盾に拉致被害者の行方を調査するわけだ。
しかも、「日米欧合同」の国際チームにする点がポイント。
拉致被害者は日本人だけではない。仏・伊・蘭の市民も拉致されている。アメリカ人もいるらしい。一説によると14カ国ともいう。だから、日本だけが提案するのではなく、根回しして、ヨーロッパの国々からも提案させるようにする。
もう茶番はうんざりだ、今度はこちらから押し入ってゆけ
かつて、小泉内閣の時代、田中均アジア大洋州局局長が「日朝合同の調査委員会を作って拉致被害者を調査すべき」などと提案したことがある。
調査も何も、北朝鮮は、拉致した日本人を特殊な施設で隔離し、管理している。つまり、当時なら金正日、今なら金正恩が返すと決断すれば、即解決する問題である。
それを当の誘拐犯と共同で調査しようなどと提案をする被害者が、どこの世界にいるのか。田中均は自分の子供が誘拐されたら、誘拐犯にそんな提案をするのか。自国民を誘拐され、主権を蹂躙された側が猛然と抗議するどころか、こういう欺瞞を平然と口にして恥じない。こんな人間が外務省の局長というのだから、日本の外交は根から腐っている。
その後、北朝鮮は拉致被害者の“再調査”をすると称して「特別調査委員会」なるものを立ち上げ、制裁解除の取引材料とした。だが、結局、何もせず、解体した。
こんなふうに、北朝鮮は、拉致被害者たちと日本を愚弄し続けたのである。
だから、もう、相手にするだけ時間の無駄なのだ。米朝首脳会談で北朝鮮が解決を文書で公約する期待は望み薄だ。金正恩は「約束する」くらい言うかもしれないが、信用して実行を待つ必要はない。今度はこちらから押し入ってまで調査すべきなのだ。
幸い、合意に漕ぎつけたら核査察は確実に実施される。核物質自体はどこにでも隠匿可能なため、事実上、査察チームはどんな施設にでも立ち入ることができる。
それゆえ、日米欧合同「拉致被害者調査チーム」を査察チームの一員に混ぜ込めば、たとえ北朝鮮の解決の公約がなくとも、自力で拉致された人々を救い出す道が開ける。
むろん、北朝鮮当局が邪魔をしたら、「核査察を妨害した」と見なされる。それが何を意味するか分からないわけではあるまい。だらか、この措置は、北朝鮮にとって「恥部を暴かれるか、それとも合意違反と見なされるか」という、きつい選択を強いるものだ。
ただし“レッドチーム”の韓国はお断り
日本とフランスが一緒に頼めば、トランプ大統領も断ることはできないはずだ。だいたいアメリカ人も拉致されているのだから、これは自身の問題でもあるはずだ。
トランプ氏はビジネスマンでもある。安倍総理も胆力があるなら「イージス・アショア」などの数千億円の兵器商談を人質にするくらいのことはしてほしい。
これが鞭だとしたら、飴も必要。捕らわれた人々の発見・解放に繋がれば、すべてトランプ氏の手柄ということにしたらいい。「長年、独裁国家に監禁されていた西側の市民たちを解放した」という話題は、いかにもアメリカ人好みで、トランプ氏は一躍全米(いや全世界か)のヒーローになれる。中間選挙で大躍進間違いなしだ。
ちなみに、チームに韓国人は混ぜないほうがいい。つまり、韓国人の拉致被害者は調査対象外とする。それは朝鮮人同士の内輪の問題で、われわれが関わることではない。
北朝鮮は、誘拐が趣味としか思えないほど、世界各国からたくさんの人々を拉致しているが、文在寅やその他の韓国人がいつも偉そうに掲げる「人類の普遍的道徳や正義」という価値観からすると、その犯罪行為がどう映るのか訊いてみたいものだ。
文大統領もそうだが、普段からナントカの一つ覚えのように「人権! 人権!」と喚いている連中に限って、最悪の人権弾圧とそれをやる独裁政権には何の抗議もしない。日本の自称リベラル派もそうだが、実際には独裁政権の人道犯罪の共犯者というわけだ。
いずれにしても、北朝鮮同様、韓国も信用できない。韓国人の拉致被害者に関しては、韓国が自分でやればいい。被害者の家族には本当に気の毒であるが・・。
というわけで、私から政府・安倍政権への提案である。
日米欧合同「拉致被害者調査チーム」を作って、核査察を機に、今度はこちらから押し入っていくべきだ。この「機」を逃さないようにしよう。
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