日朝交戦で在日朝鮮人は「人民軍兵士」身分へ移行か?

テロ・紛争・戦争・崩壊
Chosen souren honbu jp.jpg From Wikimedia Commonsより




さて、昨今の北朝鮮問題に関する続き。専門家とメディアが触れたがらない第一の要素が「ユダヤ」。今回は「第二」である。私は専門家より一歩先へ進んで、すでに戦中・戦後を見据えている。端的にいえば、1・日朝が戦時下に入ると、在日朝鮮人が「北朝鮮兵」身分になる可能性があるのではないか、という話だ。さらに、2・日本に対する攻撃の度合い次第では、在日朝鮮人が皆殺しの対象になる可能性もあるのではないか、という話だ。

こういった議論が危険なのは承知している。しかし、悲劇的な事態を避けるためにも、むしろ変にタブー視せずに、速やかに公的議題の台に乗せたほうがいい。

今回は1を取り上げ、次回に2を取り上げる。

なぜ日朝開戦はすでに時間の問題なのか

ペンタゴンは2015年の段階で、金正恩に対する「斬首作戦」を含む新作戦計画「5015」を策定している。今年3月に始まった史上最大級の米韓合同軍事演習は、その実践を想定した訓練だ。北朝鮮の核・ミサイル拠点などに対する空爆プランもとっくに出来上がっている。あとは政治がいつそれに追いつくか、という時間の問題にすぎない。北朝鮮もそれを知っているから、対米用の核ミサイルの開発を急いでいるのだ。

安倍総理は昨年「朝鮮半島域内で集団的自衛権を行使しない」旨の答弁をしたが、これは当該地域へ自衛隊は派遣しないという意味であって、後方支援や米軍協力ならばすると総理自身も明言している。答弁を誤解している人も多いようだが、要は半島有事の際に日本は中立国ではないのだ。それどころか、米韓に対する極めて積極的な支援国・兵站基地へと早変わりする。信じられないだろうが、自衛隊だけでなく、地方自治体や関係する民間も含めた、およそ国を挙げての支援体制が立ち上がる予定になっている。

北朝鮮としては、戦争になれば、この後方支援をかく乱する必要に迫られる。実際、それゆえに日本も攻撃するぞ、テロをするぞと、以前から明言している。よって、米軍基地(とその周辺地域)に対しては、弾道ミサイルなどによる直接攻撃もありえる。その瞬間、日朝は「交戦状態」に突入する。平たく言えば、その時、日本は「戦時下」に入る。

誰が「日本中立」の芽を潰したのか

公式に戦時下に突入する事態は、今の時代にはなかなか想像できないが、昨今の極東情勢からすると、すでに想定して然るべきだ。前にも言ったが、私は本来、局外中立を強く望んでいる。そもそもこの戦争の本質は「朝鮮民族間の内戦」である。日本は関わるべきではない。だいたい、なんで日本が、直接であれ間接であれ韓国を助けねばならないのか。それゆえに私たちが北朝鮮から攻撃を受けるリスクを背負うというのに!

実は、中立に持っていける「芽」はあった。それが日韓の関係悪化である。前にも言ったが、2014~5年頃に安倍総理が欧米メディアから酷くバッシングされた本当の理由が「離韓」である。米・ユダヤの背後にいる連中が「おれたちの戦争計画を台無しにするつもりか、このジャップのナショナリスト野郎が!」と激怒して、安倍総理を「近隣諸国との関係を悪化させるナショナリスト」として吊るし上げたのが事の真相だと思われる。言うまでもないが、彼らが2013年の北の核実験とミサイル実験の強行を受けて策定に取り掛かった打倒プランは、日韓の緊密な連携と日本の後方支援を大前提としている。

だから、当時、その欧米メディアの尻馬に乗って、その論調を葵の印籠か何かのように錯覚して掲げ、「近隣諸国との関係を悪化させるナショナリスト」などと、時系列も、フェアネスも無視して安倍総理を嬉々として叩いていた連中は、実際には背後で進む戦争計画に協力していたというわけだ。おかげで、対北朝鮮戦のための日韓関係は修復され、安倍総理も今では韓国を仲間や戦友であるかのように扱い始めている。韓国もまた、それまで散々反日をしていた――というか今もしつつ――くせに、日米に猛然と擦り寄り始めている。今では、日韓は“北朝鮮という共通の敵を抱える友人同士”というわけだ。

北朝鮮憲法の定める全人民武装と祖国防衛の義務

2016年9月現在、日韓の両首脳はすっかり北朝鮮との対決モードに入っている。日本のメディアもまた同国が日韓共通の敵であるという印象を作り、異論を許さぬ「空気」を醸成している。誰も「北朝鮮をぶっ殺すのは構わないが、米韓だけでやってくれ」という当たり前のことを口にしない。まさに背後にいる黒幕の思惑通りに事は進んでいる。

とういうわけで、北朝鮮でクーデターなどの突発的な事態でも起きない限り、このまま行けば「第二次朝鮮戦争勃発⇒日朝戦時下」に突入するものと予想される。

では、現実にそうなった場合、在日朝鮮人の立場はどうなるのだろうか。そのことに関係すると思われる北朝鮮憲法の条項を以下に拾ってみる(*傍線筆者)。

・第58条 朝鮮民主主義人民共和国は、全人民的・全国家的防衛体制に依拠する。

・第60条 国家は、軍隊と人民を政治的、思想的に武装させ、それに基づいて全軍の幹部化と現代化、全人民の武装化、全国土の要塞化を基本的内容とする自衛的軍事路線を貫徹する。

・第62条 朝鮮民主主義人民共和国公民となる条件は、国籍に関する法により規定する。公民は、居住地に関係なく、朝鮮民主主義人民共和国の保護を受ける。

・第86条 祖国防衛は、公民の最大の義務であり、栄誉である。公民は、祖国を防衛しなければならず、法の定めるところに従って軍隊に服務しなければならない。

以上を率直に解釈すると、憲法上、すべての朝鮮人は武装し、祖国防衛に当たる義務を負っている。しかも、「居住地に関係なく国家の保護を受ける」という規定の存在から、日本に住む朝鮮人もこの憲法の謳う「全人民」の一員に当てはまると解釈できよう。

つまり、日朝開戦直後から、在日朝鮮人は「敵性国民」すら超えて「日本に潜む朝鮮人民軍兵士」身分へと自動的に移行する可能性が考えられるのだ。

「そんな馬鹿な、私は兵士ではない、違う!」などと私に言われても困る。なぜなら、そう決めたのは北朝鮮だからだ。それゆえ、在日朝鮮人と彼らの人権を支援する日本人たちが抗議すべき相手は、北朝鮮の政府であり、金正恩政権であり、朝鮮総連である。

在日朝鮮人の定義を再確認する

ただし、ここでいう「在日朝鮮人」とは誰のことなのか。と言うと、「何を当たり前のことを訊くのか、朝鮮籍の者に決まっているじゃないか」と思われるかもしれないが、実は日本における「朝鮮籍」は戦前の日本帝国領朝鮮地方出身者を意味し、「北朝鮮国籍」を意味しない。というより、日本に「北朝鮮国籍」自体が存在しないのだ。法的には「朝鮮籍」は便宜上のもので、そこから「韓国籍」への移行者がいるに過ぎない。

2015年末時点の外国人統計では、「朝鮮・韓国籍」の分離集計が実施され、前者は3万3939人、後者は45万7772人である。今言ったように、これは「在日朝鮮人」の実態をほとんど反映しない。建前論を言っても仕方がない。いざ戦時という現実では、実態として誰が在日朝鮮人に当たるのかという、この実質性のみが問題になる。

正解を言うと、韓国籍・朝鮮籍を問わず、朝鮮総連に所属する者か、もしくは関係者が、事実上の北朝鮮在外公民に該当する(ただし朝鮮籍の大半はこれに当たるようだ)。人数はおよそ8万人。むろん、警察はすべてメンバーを把握している。ちなみに、韓国政府選管も「朝鮮総連系の韓国籍者が5万人以上いる」として、選挙権制限を検討している(聯合ニュース 2011/08/28)。これに韓国籍への未移行者の約3万を足した人数が実質的な「在日朝鮮人」というわけだ。

工作員の対日テロがそれを既成事実化する

さて、日朝が交戦下に入ったとしよう。第二次大戦の時にもあったと言えばあったが、「敵国の国籍者が大量に存在する」という事態は、たぶん史上初めてになるかと思われる。しかも、北朝鮮憲法上、在日朝鮮人は「全人民武装≒国民皆兵」への移行を義務付けられている。ただ、北朝鮮軍や在日朝鮮人工作員が日本に何もしなければ、それは机上のものとして片付けることも可能だ。

しかし、仮に北朝鮮軍が日本を攻撃したり、その傘下の工作員がテロや破壊活動などを実施したりして、日本人に犠牲者が出た場合、事情は急変する。とくに在日朝鮮人工作員が日本人を殺害した場合、在日朝鮮人が人民軍兵士であることを自ら証明する格好になり、突如として戦時の交戦関係が国内的に成立する。ましてや北朝鮮によるミサイル・核ミサイル攻撃で大量の死者が出た場合、どうなるのか・・。

次回はその問題と、そしてそれを防ぐ方法はないのか等を、考えてみたい。

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