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両国駅の不便を解消して地元経済を活性化するには?

今から十年以上、昔の話である。

私が両国駅のそばを歩いていると、眼前に白人の大男がいて、同じ方向に歩いていた。彼は浴衣姿に雪駄という“力士スタイル”であり、今にして思えば、有名になる前の琴欧州だったようだ。「大相撲も国際化したものだ」などと妙に感心していると、今度は歩道の反対側からチベット僧姿の男が近づいてきた。

なんと彼も白人だった。二人の青年は、互いの存在を見つけると、「オオッ!」と驚き、笑みを浮かべた。そして、まるで古くからの親友と再会したかのように、嬉しそうに握手しあった。私はその微笑ましい光景を見ながら、何かしら素晴らしい時代が到来したかのような気分に包まれた。

「またこの山田というやつがホラを吹いとるのか」と思われるかもしれないが、これは本当の話である。興味のある記者は、琴欧州に訊いてみるのも一考だろう。

さて、本題はその両国駅である。実はこの駅には問題がある。ご存知の方もいると思うが、同じ「両国駅」なのに、なんとJRの駅と地下鉄のそれが繋がっていないのだ。そのせいで、互いを行き来しようと思えば、以下のように、一般道路上を、ざっと400mほども歩かされるのである(赤線部分)。

だから、初めて来た人がよく右往左往している。しかも、この動線の東西部分は歩道部分が狭く、安全上も好ましくない。

両国駅

そこで私としては、この連結通路の設置を契機として、両国駅を大胆に改装し、もって周辺地域の不便解消と経済活性化を実現する「再開発プラン」を提唱したい。と言っても巨大な駅ビルを建てるわけではなく、むしろ改造とか再整備に近い内容である。

下の図をご覧になってほしい。

現在、駅の南北は500mほど線路によって分断されているが、ちょうどその真ん中あたりに、一般の人も南北を行き来できる「高架通路」ないしは「地下通路」を作る(青枠部分)。次に横須賀線の両国駅を新設する(紫部分)。現在、同線は両国駅から少し離れた脇を素通りし、錦糸町駅で停止している状態だ。

むろん、下りの駅ホームを設置するためには、江戸東京博物館の敷地を借りる形になるが、都有地なので、優先すべきは公益である。もっとも、博物館側としては駅と直結するわけで、喜ばしい話に違いない。そして、その駅と、地下鉄大江戸線の両国駅を、地下通路で連結する(緑部分)。

両国駅地図

概要は以上である。

さて、南北の貫通路ができるのは、地元の人にとってとても便利だ。また、線路で分断されていた北側の観光スポットと南側の繁華街が行き来しやすくなる。とくに博物館に来た観光客を、南の繁華街に呼び込むことができる。さらに、国技館・博物館の北側に位置する中学・高校の生徒たちにとっては、最短で、しかも車の通らない通学ルートが新たにできることになる。彼らはまた朝のラッシュ時に歩道を埋めていた存在でもあるので、従来ルートの混雑解消と安全性向上にも繋がる。

駅を新設する効果も大きい。横浜・横須賀方面の人たちが、乗り換えなしで国技館・博物館に来ることができるようになる。観光客が増えること間違いなしである。むろん、観光だけでなく、東京・品川方面に通勤する両国駅利用者にとっても、秋葉原駅での乗換えが不要になるので、便利になる。そして、南北の貫通路と横須賀線両国駅ホームが新設されることにより、連結用の地下通路は100m程度ですむ。これで駅の利用者は、雨に濡れることなく、JRと地下鉄の駅を最短で行き来できるようになる。

もっとも、駅の新設については、そう簡単に決断できることではないだろう。そこで経済効果は落ちるが、駅を新設しないバージョンも以下に紹介しておきたい。

両国駅地図2

さて、このアイデアを墨田区議会議員の佐藤あつし氏に話したところ、大変興味を示してくれた。佐藤議員によると、都やJRとも協議しなければならないのでそう簡単ではないが、仮に実現する方向で決まったら、ちょうど両国国技館が2020年の東京オリンピック会場でもあるので、開催に間に合わせる形で整備するのがいい、ということだった。

佐藤あつしさん

なるほど、臨海部のオリンピック施設をめぐる上で一番活躍する交通手段が、新橋駅から出ている「ゆりかもめ」である。とすると、ますます新橋駅と両国駅は直に繋がっていないとおかしいわけで、これは横須賀線両国駅を新設すべき有力な根拠になりうる。

というわけで、もし東京オリンピックまでに以上のプランが実現したら、その影で佐藤議員はじめ墨田区議の皆さんが努力してくれたのだということを少しは実感してほしいのである。

2015年03月01日「アゴラ」掲載

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