みなさん、こんにちわ。
いよいよ来たか、という感じです。
米トランプ政権 エルサレムをイスラエルの首都と認定へ 12月6日 11時02分
アメリカのトランプ大統領は、中東のエルサレムをイスラエルの首都と認めた上で、現在、テルアビブにあるアメリカ大使館をエルサレムに移転する方針を決めました。国際社会はエルサレムをイスラエルの首都とは認めておらず、今後、パレスチナだけでなく、イスラム諸国が強く反発するのは確実で、国際的に大きな波紋が広がりそうです。(略)
中東のエルサレムはユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地があり、イスラエルは首都だと主張していますが、イスラエルの占領下にあるパレスチナ側も将来、国家を樹立する際の首都にするとして主張が対立していて、国際社会はイスラエルの首都だとは認めていません。トランプ大統領は、去年の選挙期間中、大使館のエルサレムへの移転を公約に掲げていましたが、中東和平への影響などを踏まえ、移転についての判断をことし6月、半年間、先送りしていて、対応が注目されていました。(略)
トランプ大統領としては選挙中の公約を守り、改めてイスラエル寄りの姿勢を打ち出す狙いがあると見られますが、イスラム諸国が強く反発するのは確実で、国際的に大きな波紋を呼ぶことになりそうです。(略)
今回の決定を受けてイスラエルと隣国のヨルダンにあるアメリカ大使館は、抗議行動が広がり、現地にいる国民が危険にさらされるおそれがあるとして、群衆が集まる場所を避けるなど、安全に注意するよう呼びかけています。さらに、アメリカ大使館の職員とその家族に対しては、エルサレムの旧市街やヨルダン川西岸への外出を禁ずるとしています。
(略)ブルッキングス研究所のネイタン・サックス氏は、(略)「エルサレムというのは大きな爆発物にもなりうる問題で、今やその危険は現実味を帯びている。暴力がパレスチナだけでなく、周辺のアラブ諸国や、さらにはほかのイスラム諸国にも波及するおそれがある」として、決定に対する反発が暴力につながることに懸念を示しました。
トランプ公約の背景にある「血と信仰」
これに関しては、私もトランプが大統領選を制した直後に触れました。
たいへん危険であり、戦争のリスクになると。
トランプ的には選挙公約を果たした感じです。
ググってみると、トランプが大々的にそれを宣言したのが、2016年3月、アメリカ・イスラエル公共問題委員会(AIPAC:The American Israel Public Affairs Committee)主宰の席上のようです。このエイパックは最強のイスラエルロビー団体なんですね。
そこでトランプは「エルサレムをイスラエルの永遠の首都にする!」と公約した。
トランプは、父親のフレッド・トランプの頃から、国連大使としてニューヨーク入りした青年政治家のネタニヤフと仲良しでした。娘のイヴァンカもユダヤ人のクシュナー家に嫁入りしてユダヤ教徒になった人です。だからユダヤ系の集会で「イスラエルを愛している」と繰り返しますが、それはリップサービス以上に本心でもある。
(*参考画像 Ivanka Marie Trump)
つまり、思考がシオニストに近いから、エルサレムをイスラエルの首都と認めて、米大使館をエルサレムに移転しようなどという発想になる。
大きな支持層である白人の福音派としても、これは聖書にかなう政策に映る。
このエイパックでの宣言を聞いて、大喜びでトランプを全面支持するようになったのが、ごりごりのシオニストで、カジノ王のシェルドン・アデルソンです。
これで当時、トランプ陣営は豊富な選挙資金を得た。そして流れが変わった。
ユダヤ人は民主党と共和党の両候補者に多額の献金をしているので、ヒラリーとどっちが当選しても受益者です。
同じ頃、トランプはキッシンジャー邸に「あいさつ」に赴いた。
ただ、どうやら「影の政府」で内部合意を得ないまま、シオニスト強硬派がトランプ支持に回ったようだ。彼ら的にはユダヤの民族利益を優先させた格好。
もともと「影の政府」としては、北朝鮮とイランという「雑魚」を始末した後、本丸ロシアを倒したい。だが、トランプはロシアと戦うことには強固に反対している。
ここで「影の政府」内で、変なねじれというか、確執が発生して今日に至っているようだ。だからトランプは、遅くともイラン打倒後には、政権を追われるだろう。
なぜユダヤは占領地を絶対に返すつもりがないのか?
ところで、アメリカが「エルサレムをイスラエルの首都と認める」ということは、イスラエルの不法占領を合法と認めるということです。
エルサレムの中心地は旧市街(Old City)なんですね。
ここはユダヤ教・イスラム教・キリスト教の聖地。
嘆きの壁、岩のドーム(預言者ムハンマドが昇天した場所とされる)、聖墳墓教会などがある。しかし、この旧市街を含む地域はもともとヨルダンの統治下にあった。
だから、イスラエル独立後も、エルサレムは東西に分割された状態にあった。
しかし、1967年の第3次中東戦争でイスラエルはエルサレムの東側を獲得する。
ユダヤ人の視点から言えば、東西に分割された不正常な状態が終わり、エルサレムがひとつの市になって、元の持ち主のユダヤ人のところに戻ってきた、という感じ。
しかし、アラブと国際社会は「占領状態」と見なしています。
しかも、パレスチナ国(元自治政府)は東エルサレムを首都としている。
下の地図に私が勝手に青線を入れましたが、これがヨルダン川です。
この川の西側にある「ヨルダン川西岸地区WEST BANK」と「ガザ地区 GAZA」は、公式にはイスラエルが占領した土地であり、パレスチナ国の領土になります。
もともとは、ただの自治政府でしたが、独立宣言して、ウィキペディアによると、2016年3月の時点で国連加盟国193ヶ国中、136ヶ国が国家承認している。
英米・イスラエルと共に、日本も正式に承認していないんですね。
で、日本の政治記事で、まだユダヤ人の本音を解説しているものを読んだことがないのですが、はっきり言って、ユダヤ人の大半も占領地を返すつもりはない。
東エルサレムどころか、ヨルダン川より西側の占領地は一切かえす意志はない。
なぜか? それが「信仰」なんですね。
「ヨルダン川より西側は大昔から神が与えたイスラエル人の土地だ」
これが彼らの考え。しかも、ヨベル年(The Jubilee year)という概念がある。
神はシナイ山でモーセにこう告げました。
あなたは安息の年を七回、すなわち七年を七度数えなさい。七を七倍した年は四十九年である。その年の第七の月の十日の贖罪日に、雄羊の角笛を鳴り響かせる。あなたたちは国中に角笛を吹き鳴らして、この五十年目の年を聖別し、全住民に解放の宣言をする。それが、ヨベルの年である。(レビ記25・8~10)
ヨベル年の正確な西暦は、実は分かっていない。しかし、一般には知られていなくとも、サンヘドリンは当然、受け継いでいるだろう。
ただ、ここで強調したいのは「50年経ったらユダヤ人の負債はチャラで、何らかの理由で土地を手放したとしても、元の所有者は相手から返却を受ける」という教え。
教えというより、これは「神の命令」であり「ルール」といったほうがいい。
で、今年は1967年の第3次中東戦争からちょうど50年。2017年の6月から翌18年の5月までが50年目にあたる。
パレスチナ人が住んでいたとしても、それはあくまで「仮のもの」で、ユダヤ人がそこに戻ってきた以上、50年後には元の所有者のユダヤ人に返却しなければならない。
ヨベル年(The Jubilee year)というのはそういう発想なんです。
大イスラエル構想
しかも、「エルサレムを完全に取り戻した、ヨルダン川より西はすべてユダヤのものだ」ですまないんですね、おそらく。
この辺は旧約聖書を読めば分かってくる。
ユダヤ人というのは「神から聖別された民族」であり、最終的に「諸国民の王」となる運命にある。これがユダヤ教の選民思想の教義。
大昔に、神様とそういう契約をした、という話になっている。
実は、これが本当のシオニズム。私は以前、こんな記事を書きました。
私たちは、教科書的な歴史で、シオニズムとはパレスチナ地方にユダヤ人国家を建設することであると教えられてきました。最大限引き伸ばすとしても、1967年の第三次中東戦争によるエルサレム旧市街の回復をもってシオニズムの目的は達成された、と。
だが、これは「狭義のシオニズム」ないしは「表のシオニズム」にすぎないというのが私の考えです。実は「広義のシオニズム」ないしは「裏のシオニズム」があるはずだ。それに関するヒントの意味で書いたのが以下でした。
「イザヤ・ウォール」(Isaiah Wall)
国連創設の真の目的が隠された「イザヤ・ウォール Isaiah Wall」前8世紀の大預言者イザヤは、当時、南北に分かれたイスラエルにあって、将来の国家滅亡を予言したとされている。ただし、彼のアッシリア侵攻やバビロニア侵攻の予言は後代に付け足されたものだという批判的立場の主張も排除すべきではない。 もっとも、今回そう、シオニズムの真のゴールは「パクス・ユダエウス=ユダヤによる平和」(Pax Judaeus)なんですね。彼ら自身は、分かる人には分かる仕掛けにしています。その途上に「大イスラエル構想」“The Greater Israel project”が存在している。
だから、シオニズムはまだ道半ばなんです。まだ全然、中間地点です。冷戦後のアメリカ一極支配路線すら、そのためのラクダの背乗りでしかないんです。このことは国際情勢をいくら勉強しても分かりません。というのも、信仰とか宗教のレベルの話になるからです。
そんな馬鹿な、と思うかもしれませんが、本当にこういう「真シオニズム」に基づいて彼らは行動している。
だから、長年、パートナーとして一緒に世界を牛耳ってきたプロテスタント系王侯貴族たちは、どんどんユダヤ人や平民と結婚させられて、力を失いつつある。
ユダヤ人に帰属するか、平民になるか、どちらかを選べ、というわけです。
欧州最高血統の英王室からして、そういう運命にあります。天皇家も対象です。
で、ユダヤ人だけの組織「サンヘドリン」に世界権力の中枢が移りつつある。
彼らは最終的に世界の7割の富を支配する。しかし・・・預言されたはずの、肝心のメシアがユダヤ人の中から現れてこない。おかしい・・・となる。
ちょっと、話が行き過ぎたので、この辺でおわります。
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