2016年末、プーチンは国民に対して、「ここ数年の間に世界は異常な状況に陥り、その中にあってロシアは生き延びなければならない」という意味の、なにやら覚悟めいた発言をした。そして年が明けると、西側諸国を影から動かしてきたロスチャイルド資本とその陰謀を暴く番組を放映させた。トランプの大統領当選に対しても、外務省の報道官クラスの人間がテレビで堂々と「ユダヤの金で当選した」などと論評し、喝采を浴びた。
果たして、ロシアが異常なのか、それとも西側のほうが報道管制下にあるのか?
これらの発言や行動の背後には、ロシア民族の天敵に対する憎悪と、対決をも辞さないロシアの覚悟が秘められている。彼らがロマノフ朝に対して、またソ連崩壊後のロシアに対して、何をしたか。彼らこそ、タタール人やナチスドイツに並ぶ天敵なのだ。
その連中が今、プーチン体制を影から揺さぶっている。市民運動や民主主義などの大義名分に乗じて、プーチンの引きずり下ろしを図っている。実際に半独裁体制で、腐敗が蔓延しているのは事実だが、その弱点を執拗に突くところがまた悪賢い。
危険水域に達するロシアのナショナリズムとINF全廃条約の破棄
さて、影の政府は、戦前の日本に対してやったように、ロシアをネチネチと追い詰めている。その結果、ロシアではちょうど1930年代の日独で見られた極右民族主義が台頭している。ロシアは1917年のロシア革命後にいきなりソ連全体主義体制に移行したため、ロシア人はソ連が崩壊するまで民主主義を経験しなかった。
つまり、西側から大きく遅れて今、民主主義の初期段階に入ったばかりだ。ちょうど日独で大正デモクラシーとワイマール共和政のあとに過激な「反動」があったように、民主主義の初期においては「揺り戻し」が生じやすい。
大衆心理操作の天才である影の政府は、まさにこの時期にロシア苛めをして、わざとナショナリズムが増大するように仕向けているとしか思えない。
しかも、先日、INF(中距離核戦力)全廃条約の破棄について触れたが、核戦争のリミットが外されつつある。もともとトランプは核戦力の大幅強化を訴えていたから、ある意味、規定路線ともいえる。また、ボルトン安保補佐官は対ロ強硬派の急先鋒だ。
AMB(弾道弾迎撃ミサイル)制限条約については、ブッシュ・ジュニア政権時代に破棄されている。残るは2011年発効の新START(新戦略兵器削減条約)のみ。
これは戦略核の弾頭の配備数を1550発以下にするというもので、一応は履行されている。ただし、10年後に更新されるか否かは未知数。
だいたい、1550発もあれば、ロシアとNATOが互いを滅ぼすには十分なのだ。しかも、実戦配備から外したところで、核物質自体がある限り十分再生産可能である。
つまり、もう「ブレーキ」と呼べるものは何もないのだ。
なぜプーチンはロシア史上初の「核戦争を決断できる指導者」なのか?
だが、現実に戦争の際、プーチンが核兵器の使用を決断できるのだろうか。
おそらく、この質問は適切ではない。なぜなら、そもそも彼以前には決断できる状況になったからだ。単純にいえば、フルシチョフ以前のソ連にはアメリカと核戦争をやるだけの国力がなかった。逆に以後は集団指導体制のため、決断力そのものを欠いた。
1962年のキューバ危機の際、海上封鎖するアメリカを前に結局、フルシチョフはキューバのミサイルの撤去に応じた。彼によると、アメリカと戦っても勝ち目がないと考えたからだという。フルシチョフの失脚後、権力を握ったのはブレジネフだった。それ以降、ソ連指導部はほとんど合議制化した。ブレジネフはただ権力闘争をうまく勝ち抜いてきただけの人物で、党内の尊敬や求心力をまったく持ち合わせていなかった。状況はその後のアンドロポフやチェルネンコも同じ。しかも、ソ連経済はどんどん悪化していった。最後のゴルバチョフの時代には、もはや体制の崩壊を待つだけの存在だった。
(ウィキペディア「ソビエト連邦の指導者の一覧」より)
つまり、ソ連時代のどの指導者も対西側の核戦争を決断できる状況になかった。西側にそういう恐怖が蔓延していたのは、対内的なプロパガンダの結果だったのである。
対して、プーチンは根本的に違う。プーチンは事実上の独裁者に近い。そういう意味でスターリン的な側面がある。しかも、「国民の信任を得た」独裁者だ。この点はナポレオンやヒトラーと同じ。これはチャールズ皇太子やヒラリーなどが好んでやる例えなので、あまり使いたくはないが・・。「大衆の支持」があるかないかは、指導者が戦争を決断する上でもっとも重要な要因である。単純にいえば、圧倒的に戦争をやり易くなる。
同じ「選挙で選ばれた存在」だとしても、西側とロシアのリーダーを同一視することはできない。なぜなら、ロシアは確かに共産主義や計画経済を捨てたが、強大な党組織・軍隊・情報機関が国を支配しているという点で、昔と何も違っていないからだ。
そういう構造の国で、「国民の信任を得た」リーダーの存在は、ある意味、もっとも厄介な存在だ。はっきり言えば、これは戦前のヒトラー・ドイツと瓜二つだ。
その上で、ロシアの核戦力は西側のそれを凌駕しつつある。
その時、日本の立ち位置は太平洋戦争前のフィリピンと同じになる
だから、最後の大統領任期となる今期(~2024年5月)において、プーチンも状況次第では「大きな賭け」に打って出る可能性を考えないわけにはいかない。先制核攻撃に打って出れば辛勝できるとの考えは、独裁者にとっては十分な誘惑である。
奇妙なことだが、ソ連が決して核戦争できなかった冷戦時代に、私たちはあたかも明日にでもそれが起きるかのような錯覚をしていて、逆にそれが本当に可能になった現在、核戦争が起きる可能性をまったくと言っていいほど想像しなくなった。
しょせんはロシアとアメリカの問題じゃないか・・などとタカをくくらないほうがいい。なぜなら、その時、日本がどういう立ち位置になるのかを真剣に憂慮すべきだからだ。
はっきり言えば、ちょうど第二次大戦におけるフィリピンと同じである。
大東亜戦争の際に、われわれが「アメリカ領フィリピン」に対してどう振舞ったかを思い出すといい。対米戦争を遂行する上でフィリピンの米軍基地は「脅威」と映った。だから太平洋戦争開始と同時に、フィリピンのクラーク基地を奇襲攻撃し、直後に本間雅晴(まさはる)指揮下の第14軍を派遣して、マッカーサーの現地軍を掃討しつつ、全島を攻略した。同じことを、ロシアも日本に対してするだろう。
ロシアとしては、NATO軍との二正面作戦になると考えれば、日本の軍事基地を先制核攻撃して、その後に侵攻制圧する作戦を選ぶかもしれない。しかも、中ロ同盟の形になれば、中国軍までが侵攻というか、中国軍のほうが主体になる可能性すらある。
しかも、先制攻撃だから、何の前触れもなく、ある日突然、われわれの頭上で核兵器が炸裂する形になるかもしれない。その後、ロシアとしては、報復を行わせないために侵攻して制圧する必要が生じてくる。最初の一撃で在日米軍基地と自衛隊基地は半身不随になるため、地上戦は最後にはゲリラ戦の様相を呈して、地獄の惨状になるだろう。
ソ連軍の対日参戦を見れば分かるように、あの連中に最初から人道が通用するなどと信じないほうがいい。一般市民はせいぜい虐殺と強姦の標的でしかない。
超自然情報を扱う「新世界」のほうで、上に関連した記事を増やしていこうと思う。
鬼畜米英と鬼畜ロシアが互いにデスマッチをして共倒れしてくれるというのに、わざわざ一緒に心中するアホがどこにいるのか。
そんなアホが実在するのだ。今の日本である。
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