山口二郎教授の「正しい危機感とは何か」が全然正しくない件

事件・時事
出典不明




「お前は人間じゃない! 叩き斬ってやる!」

と安倍総理を名指しして言い放った法政大学の山口二郎教授が、ハンギョレ新聞で、またギョギョとする発言をしていた。以下引用、傍線筆者。

[寄稿]正しい危機感とは何か

(出典:http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/28364.html)

8月29日早朝に北朝鮮が北太平洋に向けてミサイルを発射したことは、日本国内にも大きな衝撃を与えた。(略)

あたかも、日本が攻撃目標になったかのような騒ぎであった。テレビは通常の番組を中止して、ミサイル関連情報を流し続けた。しかし、日本政府および報道機関の過剰なまでの騒ぎ方には、国民に恐怖心を植え付けるためのプロパガンダではないかという疑問を感じる。

日本上空を通過したと言っても、大気圏外の上空500キロメートルの高度を飛んだ。安倍晋三首相は、ミサイル発射について「発射直後から北朝鮮ミサイルの動きは完全に把握していた」と述べた。ならば当然ミサイルの軌道や大体の着弾位置もわかるはずである。日本国土を狙ったものではないにもかかわらず長野県以東の広範囲に警報を出したのはなぜか。(略)

はい、ダウト。

上の山口氏の疑問に関して、作図までして非常に丁寧に説明している「ZF」さんという方がいたので、引用させていただきたいと思う。

(*出典:「ZF」氏のツイッターおよびブログ



ミサイル発射事案の推移を時系列で見ていく

まず事実関係を押さえておくと、

2017年8月29日5時58分ごろ、中距離弾道ミサイル「火星12」が発射された。

上の「ZF」さんも解説されているが、「Jアラート」には一つのジレンマがある。

できるだけ早く警報を出したい場合には、まだミサイルの上昇段階でやることになるため、正確な着弾範囲は分からない。

対して、着弾位置の特定に重心を置いた場合、今度は警報を出すのが遅れる。

どちら取るべきだろうか。警報の趣旨からいって、政府は前者を取った。

発射から約4分後の6時2分、政府は「Jアラート」で「東北地方の方向にミサイルが発射された模様」との情報を流した。

この時点では、ミサイルが日本列島の方角に飛んでくることは分かるが、着弾位置は分からない。また、ミサイル自体が途中で壊れ、降ってくる可能性もある。

伝達対象地域となった12道県は、この時点で被害の可能性のある地域だった。

ミサイルは6時6分、北海道上空で最高高度をつけた。イージス艦などのレーダーはその直前、日本海上空で3つに分離したことを捕えている。

6時12分ごろ、3つは襟裳岬沖1180 kmの太平洋の同一海域に落下した。

つまり、安倍総理はたしかに後から「発射直後から北朝鮮ミサイルの動きは完全に把握していた」ということを述べたが、それはレーダーが終始航跡を捕えていたという意味にすぎない。「Jアラート」の発報時点では、山口氏の主張する「ならば当然ミサイルの軌道や大体の着弾位置もわかるはず」という理屈は成立しない。

余談だが、安倍総理が前日に公邸入りしていた事実を指して、総理と北朝鮮が裏で通じているなどと臭わせる向きもあるが、仮にこれが偶然ではないとしたら、おそらく事前に発射を察知したアメリカから情報を貰っていたというのが正解と思われる。

今回の大型の液体燃料ミサイルの発射は、北朝鮮としてもあくまで政治的意味を込めた実験なので、事前に相当な準備をしている。実戦ではないため、何も慌てる必要はない。つまり、米軍としても偵察衛星などの動員により十分にキャッチ可能なわけだ。

山口氏は、記事の後半部分でもっと間違ったことを言っているが、それはまた内容が変わるので、次回の投稿に回したい。

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